なにかを成すためには「習慣」を身につけることが大切です。もちろんWebデザインの学習を成功させるためにも同様のことが言えます。
これまでにどのような習慣を実践しているかということを紹介する記事は書いてきましたが、今回は習慣そのものについての記事を書きました。
習慣とは何か、実際に僕が習慣化するときに大切にしていることなどをお伝えしていきます。
習慣とは?
習慣とは、日常の決まりきった行いのことです。
僕たちの日常の中にある具体例を挙げれば、朝起きること、歯を磨くこと、ご飯を食べることなど習慣が溢れていることが分かります。
習慣は無意識に行われ、頭で考え込まなくても自然と体が動き、その行為を果たします。良い習慣であれ、悪い習慣であれ、無意識に行われるのです。
歯を磨くのは、口と歯の生活を保ち健康を維持するためです。ご飯を食べるのは生きていくために欠かせないからです。逆に、健康に悪いと分かっていてもジャンクフードやお菓子の食べ過ぎを止めることがでない、ついつい夜更かしをしてしまう日が続くこともあり得ます。
僕たちの生活や人生は習慣の積み重ねとも言えるのではないでしょうか。
生活や人生が習慣の積み重ねということは、習慣を変えれば生活や人生を変えることができます。しかし、習慣を変えたり新しい習慣を身につけたりするのは簡単ではありません。
三日坊主で終わってしまうというのはよくあることですし、実際に僕も三日坊主で終えてきた習慣(習慣と呼んでもいいのか…?)は過去にたくさんありました。
日々の積み重ねが大切
一言で言ってしまえば、習慣は日々の積み重ねになります。
ある日突然なにかができるようになるということはなく、例えばWebサイト制作もデザインやプログラミングなどの勉強を重ねて徐々に作れるようになっていくわけです。
と、言うだけなら簡単ですよね。でも、実際に自分のしたいことを習慣化するのは難しいと感じる人も多いと思います。
「やりたいけどできない」「やらなければいけないけどできない」というのは僕にとっても長年の悩みでした。そこで、話題になっていた習慣に関する本を購入したら習慣を正しく学ぶことができ、実際の生活でも習慣をコントロールすることができるようになりました。
習慣について学んだ本『AtomicHabits』
僕が習慣について学んだ本は『Atomic Habits』です。
日本版の題名は『ジェームズ・クリアー式複利で伸びる1つの習慣』となっています。表紙にはAtomicHabitsという文字がデザインされていますが、タイトルがしっかりと日本語訳になっているため書店で探す場合は注意が必要です。
こちらはSNSやYouTubeで話題になったので知っている方も多いと思います。僕も実際に読んでみて、習慣に関する本はこの一冊で十分とも言えるほどの価値があると思いました。
習慣は4つの要素で成り立っている
Atomic Habitsによれば、習慣形成は、きっかけ・欲求・反応・報酬という4つのシンプルなステップに分けることができます。
これら4つのステップを上手にコントロールできれば、実行したい習慣をものにできると言えるでしょう。
それでは、各ステップについて詳しくみていきます。
きっかけ
きっかけは、習慣の最初のステップであり、報酬を少しでも予測させて脳に行動を起こさせます。
つまり、きっかけと報酬が結びつくことによって、きっかけが起これば最終的に報酬が得られるということを脳が無意識に認識してしまうのです。
欲求
欲求は第二のステップで、習慣の原動力とされています。きっかけに触れることで「〜したい」という欲求が引き起こされます。
ある人によっては欲求が引き起こるきっかけが、ある人によっては全く欲求がわかないということもあり得ます。
ここで重要なのが、きっかけによって心の状態が変化するということを解釈しなければ、きっかけは意味を成さないということです。
反応
反応は第三のステップで、実際に習慣が思考や行動に現れる段階です。反応は報酬と直接結びついており、その思考や行動をすることによって報酬を得られます。
逆を言えば、反応と報酬の結びつきが弱いと次からその反応をすることはなくなります。こうできれば報酬が得られるとわかっていても、実現させる能力が備わってなければ反応できないというわけです。
報酬
最後のステップは報酬です。報酬のために習慣はあります。
反応が、僕たちの「〜したいという」欲求を満たしてくれます。報酬がなければその行動が習慣になることはありません。
きっかけから報酬までのサイクルがつながっていると学び、考えるまでもなくそのサイクルを行うようになった時、習慣が完成します。
習慣化するために大切なこと
「〜しなきゃ」と思うだけでは習慣化することはまずできません。対策をとっていく必要があるのですが、その対策も難しいものではありません。
ここでは、僕が実際に習慣化をする時に大切にしていることを詳しく解説していきます。
目指しているアイデンティティーならどうするか
Atomic Habitsではアイデンティティーは習慣から生まれる、習慣がアイデンティティーを体現すると述べられています。
つまり、なりたいアイデンティティーになるためには、なりたいアイデンティティーが実行しているであろう習慣を身につけていけば良いのです。
「〜しなきゃいけない」、「〜してはダメだ」という考え方ではなく、なりたいアイデンティティーなら「〜しているはずだ」という考え方にするだけで行動しやすくなります。
例えば、Webデザイナーになるために毎日の学習を習慣化したいと思った時、「学習しなくては」ではなくて、「活躍しているWebデザイナーなら毎日勉強する」と思うことで効果が現れます。実際に声に出してみるのも良いでしょう。
魅力的にする
習慣を魅力的にするのも方法の一つです。
AtomicHabitsによれば、「現在の習慣」をしたら「必要な習慣」をする、「必要な習慣」をしたら「したい習慣」をするということになります。
例えば、机をきれいに片付けるという身につけたい習慣があったとします。それを現在の習慣としたい習慣でサンドイッチします。
夜ご飯を食べ終えて食器を片付け洗い物をしたら、ついでに机をきれいに片付ける。そして自由時間を楽しむといった感じです。
こうして考えると、テストに合格したら何かをご褒美に買う、買ってもらうというのも実は理にかなっているのです。
環境を整える
習慣化においては環境も大切です。
やめたい習慣や行動を誘発してしまう原因はできるだけ取り除き、必要な習慣に必要なものを身近に用意することをおすすめします。
学習を習慣にしたければ、参考書をすぐに取ることのできる場所に置いておく、学習に使用するWebサイトのリンクをデスクトップやホーム画面に配置しておくなどです。
周りの環境をごっそり変えてしまうのも一つの手です。運動をしっかり行いたければジムに通い、運動器具や運動をしている人に囲まれましょう。人に見られているという要素も大切です。
悪い習慣を断ち切ることもできる
今まで紹介してきた習慣の仕組みを利用すれば、悪い習慣を断ち切ることもできます。
それでは、悪い習慣を断ち切るために大切にしていることを解説していきます。
目指しているアイデンティティーならどうするかpart2
習慣化の時と同様に、目指しているアイデンティティーならどうするかを考えるようにしましょう。目指しているアイデンティティーなら「〜しない」ということです。
例えば健康的な生活を習慣づけたいのであれば、健康な人ならタバコを吸わない、健康な人なら夜更かししないといった具合です。
「〜してはダメだ」ではなく、なりたいアイデンティティーなら「〜しない」というような考え方です。
習慣をつまらなくする
習慣をつまらなくしてしまうのも大切です。やめたい習慣のデメリットを自分に言い聞かせ、満たしたい欲求の本質は何かを見極めましょう。
例えば、ついつい夜更かししてしまうのをやめたいとします。夜更かしは睡眠不足や生活リズムの乱れにつながるので健康に良い習慣ではありません。夜更かしをするとどんなデメリットがあるか言い聞かせることで、習慣をつまらなくしてしまいましょう。
また、なぜ夜更かししているのか本質を見極めましょう。ついテレビを見てしまう、ついスマホをやり続けてしまう、ついゲームをやってしまうなど、理由は様々あると思います。しかし考えてみれば、それはやりたいことがあるからで、夜更かしをしたいから夜更かしをしているわけではないということに気づけます。
早寝早起きをして、朝余裕のできた時間でやりたいことをやってもいいはずです。
難しくする
やめたい習慣を行うこと自体を難しくするのも有効です。
ついソーシャルメディアを開いてしまうのであれば、アプリを消去してしまう。ついお菓子を食べ過ぎてしまうならお菓子を買わない、家に置かない、目の届く場所に置かない。などなど、習慣を遠ざけてしまえば良いのです。
報酬に対して、それまでの経緯が難しく面倒なものなら習慣化はしません。その特性を活かして習慣をやめることもできるのです。
数字で見る習慣の影響力
さて、最後に数字で習慣を見てみましょう。
何気なく行っていることがどれほど僕たちの人生に影響するか、その習慣に費やしている時間で見れば重要性も分かるはずです。
今回は、無駄な時間になりがちなスマホを見る時間と、人間にとって大切な睡眠の時間についてご紹介したいと思います。
スマホを見る時間
1日に平均2時間はスマホを見ていたとします。そうすると1年で730時間になり、20歳〜60歳にかけてこの習慣を続けたなら40年間で29,200時間もスマホに時間を費やしていることになります。
29,200時間を日に換算すると約1216日、およそ3年もスマホを見ていることになります。これが1日平均3時間、5時間とさらに増えていけばどうなるかはもうお分かりですよね。
このスマホを見る時間を減らして必要な習慣をする時間に変えれば、大きな力となってくれることは言うまでもありません。
睡眠の時間
1日に平均7時間は睡眠を取るとします。男性の平均寿命である約81歳で計算を行うと、生涯のうちに206,955時間眠っていることになります。
206,955時間を年数に換算すると約23年間になります。僕たちは人生の約3割を睡眠に費しているということです。
もちろん睡眠は人間にとって欠かせない習慣であり、短くしても長くしても健康に悪影響を及ぼします。
必要な習慣である睡眠は少しでも良質なものにしていくべきではないでしょうか。